近年定着している「内定者フォロー」。
内定辞退が出ることを想定して多めに内定を出してあるからそれほど必要ないのでは?
そんなことはありません。
入社してほしい優秀な内定者ほど、複数の企業から「内定」をもらっているため、内定辞退の可能性が高いのです。彼らは内定をもらったあと、自分がどの会社に本当に行きたいのかを見つめ直し、今度は「選んでもらう」から「選ぶ」という段階に入ります。このときに適切な「内定者フォロー」を行うことが重要です。
リモート化で、企業側は内定者の心情をつかみにくく、内定者側は会社の雰囲気が掴みにくくなり、これまで以上に内定辞退が起きやすくなっています。
今回は、内定者の心をつかむ内定者フォローについて解説します。
1.学生は内定者フォローを求めているのか?
2.内定者と相性が良い人がフォローしたほうが良いのか?
3.1:1フォローで安心するタイプ、モチベーションが下がるタイプ
4.内定者の重視するポイント別「志望度」を高める声掛け
5.リモート化でも内定者フォローを成功させるためには
→次回:新卒の「テレワークデビュー」モチベーションを維持する特性別ポイント
学生は内定者フォローを求めているのか?
近年定着している内定者フォローですが、企業にとっては手間やコストもかかります。学生は本当に必要としているのか、気になるところです。
株式会社ディスコ キャリタスリサーチ調査(2021年卒 vol.8)によると、「内定を得た企業からのフォローが必要である」と回答したのは90.8%。2019年卒、2020年卒と比べても年々増えているのが分かります。
内定者と相性が良い人がフォローしたほうが良いのか?
学生がどんなフォローが必要だと思っているのか、見てみましょう。
調査結果を見ると、2021年卒は、コロナ禍の影響で、2020年卒に比べて「食事会などの懇親会」は大幅に減少していますが、「現場社員との面談」「人事担当者との面談」が上位を占めています。
求めているのが、その企業の「社員」とのコミュニケーションだということが分かります。
もう一つ、別のデータも見てみましょう。
「入社予定先企業の内定承諾の決め手」は何だったか。文系と理系に違いはあるものの「社員の魅力」が上位にランクイン。
「社員」との接点を「上手に」つくることが内定者フォローにおいて極めて重要なことが分かります。逆にいえば、社員との接点をつくっても、マイナスの印象を持てば、内定辞退になりかねないということです。
この「上手な接点」の一つが「相性が良い社員」と組み合わせることです。「相性」の定義は様々ですが、例えば、思考や価値観が似ていると、気持ちが推測しやすく、共感しやすくなります。内定者も悩みや不安を打ち明けやすくなり、「ここで頑張れそう」、「この人たちと一緒に働きたい」という前向きな気持ちを持ちやすくなります。
1:1フォローで安心するタイプ、モチベーションが下がるタイプ
内定者フォローで、定期的な1:1の面談を実施することも多いと思います。「定期的」といっても、その「頻度」は週1、月1など企業によって様々です。
学生側から見たとき、「1:1」がより多いと、安心するのか?
これは、学生のタイプによって異なります。例えば、
真面目で取り越し苦労をしがちなタイプの学生(グリーンタイプ)は
・1:1のほうが、自分の悩みや不安を打ち明けやすい
・懇親会など大勢の中だと緊張して気を遣って発言しにくい
・ただし、1:1だと何か話さなきゃいけないというプレッシャーもある
なんとかなる、と比較的楽観的に捉えるタイプの学生(オレンジタイプ)は
・1:1で、定期的に義務化されるとモチベーションが下がる
・みんなで意見交換したり、ワイワイしたりするほうが刺激的でいい
・ただし1:1で「大事にされてる感」は嬉しい!
このように、タイプによって、同じことをしても、プラスに働いたりマイナスに働いたりするので注意が必要です。
内定者の重視するポイント別 志望度を高める声掛け
内定者フォローの中で、「自社の魅力」を知ってもらうための機会を設けることも多いと思います。社内報を送ったり、社内や施設を見てもらったり、事業を説明する機会をつくったり、様々です。
このような機会の中で、自社の魅力を知ってもらうときに、どういう声掛けをすると心に響くのか。それは、内定者の重視する価値観によって異なります。弊社の特性診断の「決断するときの3つの特性」で見てみましょう。
①こだわり、自分の信念で決めるタイプ( アイデンティティタイプ)
このタイプの重視するポイント
自分のやりたいこと、実現したいことと合致しているか
→会社の理念や会社の実現したい世界を伝え、共感してもらう
②損得勘定が働いて決めるタイプ(ユーティリティ タイプ)
このタイプの重視するポイント
他社と比べてどうか、条件面が良いか
→働き方や働く場所、給与、福利厚生、世間からの評価などに訴える
③周囲の感情に配慮して決めるタイプ(インテグリティタイプ)
このタイプの重視するポイント
この人たちと一緒に働けそうか、周囲、特に自分の家族が納得してくれるか
→社員の雰囲気、会社の安定性を伝え、安心してもらう
内定者がどのタイプなのか知りたい、そんなときはMARRONお試し受検
リモート化で内定者フォローを成功させるためには
リモート化では、会社の雰囲気、社員の雰囲気、内定者の心理など「感覚」的なものをキャッチするのがより難しくなります。これがお互いに掴み切れないことからくるミスマッチがコロナ禍で増えています。
これらを解消する手立ては、その「感覚」を出来る限り「見えるカタチ」にすることです。
会社の雰囲気や社員の雰囲気は、写真や動画、ビデオ会議など、ビジュアルで伝えるほうがその「温度」が伝わってきます。
内定者の心情は、特性や性格の診断ツールを活用するのも一つです。この類のツールは選考時しか使わない企業が多いかもしれませんが、それはもったいないです。内定者の「特性」を知ることは、「心情」の推測にとても役立ちます。
たとえば、「この子は、不安を感じやすいから状況をきちんと書いたメールを送ってあげよう。」「この子は、働くイメージがわかないとモチベーションが落ちそうだからリモートで社員と話をする時間を設けてみよう。」など、特性を知ることで心情や行動を予測し、対策を打てるのです。
(以下PR)
ここまでお話したように、内定者と社員の相性や、内定者の特性理解、内定者に最適なコミュニケーションが分かると、内定者フォローの効果をアップさせることが期待できます。『HRマッチングサービスMARRON』で内定者や社員の特性診断を試してみませんか?